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第41回 ペルソナに負けない内省とは

第34回コラムで「内省を阻むもの」と題してペルソナを紹介しました。

役割性格とも言われるこのペルソナ(仮面)は、私たちの思考に影響を及ぼします。

もう少し詳しく説明しましょう。


※第34回「内省を阻むもの」はこちら

人はそれぞれ立場があります。言い方を変えると複数の役割を演じているとも言えます。


家では父親としての自分

会社では課長としての自分

地域ではPTA役員としての自分

友達ではテニスサークル部としての自分


いろんな自分がいます。問題はそれぞれの立場で性格があるということです。


子供に優しいいつも遊んでくれるお父さん

仕事に厳しく一切の妥協を許さない課長

きめ細かく人に気を配り頼られるPTA会長

いつも冗談ばかりいう宴会部長のようなテニス部長



全部性格が違うのです。ペルソナが役割性格と言われる所以です。それはそれでとても良いことです。

それぞれの立場でパーソナリティが違うのは当たり前です。


ところが問題は、経験学習に基づいて「内省」を行なうときは壁となってしまうことです。

自分の経験を振り返り、学び取ろうとするときに、深く思考することを抑えてしまうのです。



例えば、

仕事に厳しい課長として「仕事はこうあるべきだ」という性格のあまり

部下の失敗を受け止めきれず、

「なぜあいつはいつもミスばかりするんだ。困ったものだ。人事部はもっと使える人材を配属してほしいよ。まったく」

と考えてしまうことがあるでしょう。


本当は「部下のミス」という大きな経験から、もっと多くを学べるはずなのです。


例えば、こういう思考です。

・このミスはいったい具体的にどんな仕事だったんだ

・なぜそれが起きたんだろう、もっと深い理由があるんだろうか

・イライラするが、もしかしたら自分の接し方に問題があるのかもしれない

・朝礼で毎朝アドバイスをすることでもう少し相談できる雰囲気を作ろう

という思考をする必要があるのです。これが気づきを促す深い振り返り=内省です。


すなわち

・詳しい事実を把握する

・根本の原因を分析・追求する

・心の奥にある本音の感情に触れる

・次の日の行動で少しでも工夫する点を決める

という思考プロセスが必要となります。


研修企画担当者にとっては、現場での学びをどう行動に結びつけさせるかという

内省技術として、しっかり研修の中で技術習得させる必要があると言えます。



さあ!

『研修担当の皆さん! 経験から学ぶ“内省技術”を習得させよう』

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