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第24回 他人ごとから自分ごとへ

先日、講師向けに「行動を習慣化させるための研修メソッド」の勉強会を行いました。


20人の講師の方々が

「研修をやりっぱなしにしないためにはどうすればよいか」

を熱心に勉強されていました。


あるべき姿は、研修後に学んだ事を仕事で活かしてもらい、仕事の成果を上げてもらうことであることは誰でもわかっていることです。


ところが、講師だけを行っていると、わかっているけど手が付けられずということが多いのが現実です。


例えば、講師の方々からはこういった声が聞こえてきます。

「受講生が何のために研修に集められたかわかっていない。」

「学んだ事を仕事に活かすまでは面倒が見られない。」

「現場の協力を得る事が難しい。」

「研修企画担当者にフォローアップの負担を課すわけに行かない。」

などなどです。


究極の意見は、

「そもそも、研修は非日常であり、日常の仕事の現場とは違うのでしょうがないんだ。」

という“あきらめ”にも似た意見です。


でも本当に「手が付けられない」のでしょうか。


例えば、受講生の集め方の工夫をしてもらうことができないでしょうか。


例えば、行動の実践例を研修参加者の上司と作り上げることができないでしょうか。


例えば、関連資料を研修前に配布し、事前学習をしてきてもらうことができないでしょうか。


この3つの例はいずれも、研修が始まる前の仕掛けのことです。

でもこういった声が聞こえてきます。


「それは研修企画担当者の仕事であり、ファシリテーターである私の仕事でない」

「そんなことに関わっていたら時間が何分あっても足りない。そもそも時間で課金する仕事であり、研修開発部分に関わっても料金がもらえないではないか」


本当にこれからもそのスタンスでいいのでしょうか。


やりっぱなしの研修から脱却し、職場での成果につなげるためには、研修デザイン全体に関わる必要がないでしょうか。


他人ごとから自分ごとに変えるということですね。


エンドユーザーの要望はすでに大きく変化しています。すなわち、「職場で成果の出る研修をやってもらいたい。効果を測定してほしい。」と。要は、「研修をやるだけでは満足しなくなってきている」というマーケットの変化です。


ある大手企業で6000人に対する教育研修をマネジメントする方と話していると、こんなことを言っていました。


「永谷さん、すべての研修を一旦見直そうと思っているのです。その上で、研修とはどうあるべきかを問い直したいのです。」


と。この会社は毎年、億単位の教育予算を掛けている企業です。

大きくマーケットが変化することを確信する言葉でした。


さあどうでしょうか。本当にこのままで良いのか考えてもらいたいと思います。


私はズバリ言います。


研修は研修が始まった時点である程度勝負がついていることを知っているのであれば、


「研修企画に関わるべきです。」


その企画とは、単に研修プログラム内容でなく、研修前の活動に対する要求も含まれるのです。


講師をするだけの立場から一歩進み、成果を上げる研修のために研修企画担当者とタッグを組んで、仕事をしてもらう部分はしてもらう必要があるのです。


講師と研修企画担当者が「職場で成果を上げる研修を」という合い言葉で、より協業する必要があると思っています。


もちろん、この研修企画担当者には研修を売るベンダーの営業担当も含まれます。


どうでしょうか。


さあ!

『講師の皆さん! 研修前の活動にもっと関わろう』

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